2017年1月26日木曜日

VMN Live! 『交通事故と思われる難治性腹壁ヘルニアの整復手術』

1/26(木)午後診終了後、VMN Live! 『交通事故と思われる難治性腹壁ヘルニアの整復手術』を視聴しました。

今回の症例は、、、
(日本猫、推定8歳、避妊メス)

【稟告】腹壁ヘルニア

【経過】
2017年1月10日
交通事故と思われる後肢歩様異常および下腹部皮下に腹腔内臓器のヘルニアを確認
排尿、排便、バイタルの確認

2017年1月12日
腹壁ヘルニアの整復手術を実施
右鼠径部付近に腹壁の裂傷を確認、整復を実施

2017年1月19日
左鼠径部に腹腔臓器のヘルニアを確認し、再度整復手術
左鼠径部に裂傷を確認後、単純結節縫合を実施

その後、やはり左大腿内側に腹壁ヘルニアを確認

2017年1月23日
当院に紹介
左鼠径部の腫脹(立位で顕著)

⇒ 本日、ライブ手術を実施

というものでした。

左鼠径部、分かりやすくいうと、『コマネチッ』の場所ですね。って、余計分からない人もいるかな?スマソンゞ💦

あ、さてー、
今回は、受傷後3回目のオペとのこと。。
うーん、講師(術者)の南先生もおっしゃってましたが、オペは1回目が勝負!ですよね。
1回目が一番術部もわかりやすいはずですし(たぶん)、2回目以降はいろいろな余計な組織ができたり癒着などが起こりますので、術部がだんだんクリアではなくなりますから。
それが3回目ともなると、オペ受ける側にも相当の覚悟が要りますね。

今回は、鼠径部の腹筋が付着部から剥がれていて、さらに、内側でヘルニアになっていたと。。画面見ていても、どこを縫っているのか、後の解説聞くまでわからなかったくらいでした。

猫ちゃんの交通事故などの外傷ではその「腹筋が剥がれる」ということもまあまあ起こるとのこと。バオでは最近幸い交通事故例も減りましたので、昔、そういう症例がありました。

この子も元ノラちゃん。

この寒空の下、なんとか暖かい場所をさがして、ノラちゃん達は生活してるんだろうな。。事故もそうですが、生活環境そのものが劣悪ですよね。。

ノラネコちゃんを作らない。
こういう不幸なことが起こらないためにも、猫を野に放つような捨て方などは言語道断。歴とした犯罪ですから。
法律がどうのこうのではなく、人としてやっちゃいけないことですよね。

今居るノラちゃんはそれ以上増えないように避妊去勢をして、「あたらしい」野良猫を増やさない人間の教育(啓蒙)を徹底して、シェルターなどの保護猫さんを新しい家族に迎えるということがむしろ当たり前になるような流れを作っていく。。
ひとつひとつ確実にやっていけば、野良猫さんを少なくしていくことは可能ですよね。

さっきからオペのこと以外のこと書いてますが、30数年、臨床をしていて、根本的な解決になっていないなと思いながら診療を進めていくことほど空しいことはないんですよ。

動物と生活している人もそうじゃない人も、同じ市民として、人間も動物も皆幸せに暮らしていける社会が一番じゃないですか? 皆で協力し合って、そういう社会を作りましょうよ。

実際、そういう活動に携わっておられる方々はいろんな問題点を指摘することができるでしょう。ぜひ、それを関心の薄い方々にもお伝えいただき、関心のない人は他人事とは思わず、同じ時代を生きる者として、一緒に考えていきましょう!

いつものセミナー報告とちょっと感じ違いましたね(^_^;)ゞ
Dr.BAOでした。


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